高次脳機能障害とは、病気やケガなどにより脳に損傷を受け、記憶力や注意力、行動力などに問題が起こった状態をいいます。手足の麻痺や嚥下機能などの身体的障害ではなく、「考える」「判断する」「予測する」といった人間として社会活動を営む上での重要な精神活動に代表される「高次な脳機能におきた障害」と言えます。高次脳機能障害の特徴的な症状は、前述の「考える」「判断する」「予測する」といった活動が苦手になったりするほかに、「物忘れ」「意欲低下」「子供っぽい行動」「怒りっぽい」などがあげられます。
これらの高次脳機能障害は、一見しただけでは気付かないことが多いため、「隠れた障害/目に見えない障害」ともいわれます。
手足は動くのに今までのように仕事が出来ない、人と上手く付き合えないなどの状況が生じるため、本人や家族にとって大きなストレスになります。また、周囲の人もどのように接したらよいか分からず、軋轢を生んでしまったり、本人や家族が孤立してしまうといった問題もあります。
これらの問題は職業復帰や就学への障害となることが多いため、積極的に関わっていくことが重要です。