ごあいさつ
作業療法科 科長 生田 房美
当院の作業療法科は、東側の窓から見える石鎚山を毎日眺めながら、明るく、楽しく笑顔にあふれ患者様とともに訓練を行っています。広い訓練室や個室の検査室、2階建てのモデルルームなど多種にわたって設備が整えられており、スタッフは、訓練室に病棟に、また屋外において広い範囲にわたってのびのびとした訓練を行っております。
脳血管障害、脊髄損傷や骨折等の関節の病気により食事、更衣、入浴、排泄、整容、家事動作などの日常生活が行いにくくなります。OTではそのような方に対し、作業活動を通しながら患者様の状態や生活環境に合わせて訓練や指導を行い自立した生活に向けて援助を行っています。
どんな訓練をしているの?
上肢や下肢の機能訓練
病気やケガによる手足の麻痺や筋力低下、可能域制限に対してストレッチや筋力トレーニングなど徒手的な運動だけでなく、木工や手芸等の作業を通して筋力向上や手先の細かい機能回復、精神面の維持・回復を図ります。又、低周波を使った訓練も取り入れています。
日常生活関連動作訓練
入浴や更衣、排泄等の日常生活動作を実際に訓練しています。なるべく自宅の環境に近付けた状態で訓練を行ない、各動作の適切な方法やアドバイス、環境設定の指導をしながら動作の獲得に繋げています。また、当院には各病棟にユニットバスを設けており病棟スタッフと連携を図り、病棟生活の中でも自宅復帰に向けて入浴動作を積極的に行っています。また、入院中に外出や外泊も行なって頂き、その時の状況を聞きながら再度必要な動作訓練を行ない自宅復帰に繋げていきます。
自助具の紹介・訓練
残存機能を活用し、ご自分で出来る事を増やしていけるように、バネつきの箸や太柄のスプーンなどの自助具の紹介や訓練を行います。またナースコールやパソコンなどのコミュニケーション機器の操作を行えるように特殊なスイッチの紹介や設置、操作方法の訓練を行います。又、車椅子や安全な移乗にむけた福祉用具の検討を行っています。
〈はし蔵・ばねばし・太柄スプーン〉
高次脳機能訓練
注意・記憶・遂行機能等の評価、訓練を行っています。
高次脳機能障害については、支援室を立ち上げバックアップを行っております。
高次脳機能障害支援についてはこちら
モデルルームを利用した訓練
OT室内に2階建てのモデルルームを設けております。
実際に自宅へ復帰されてからの生活を想定した日常生活動作訓練をする事が出来ます。
家事動作訓練
患者様に適した方法や環境設定のアドバイスを行いながら、調理・掃除・洗濯・外出・買い物などの訓練を行います。
自宅復帰にむけての生活動作指導
退院後の自宅生活がスムーズにできるように、ご家族へのご指導、住宅環境のアドバイスも行います。
家屋訪問指導
必要に応じて退院前にOT、PT、医療ソーシャルワーカーがご自宅へ訪問し家屋指導を行っています。患者様の状態に合わせて手すりの設置や段差解消などの住宅改修のアドバイスや動作指導を行ったり、電動ベッド・シャワーチェアー等の福祉用具の選択を行います。
ご家族への指導
自宅での生活を考えて、モデルルームなどを利用して、ご家族の方へも動作指導を行い、自宅での適切な介助の指導や福祉機器の使用方法の説明を行います。